学生と先生のあいだ

僕が最後に学生だったときからもうずいぶん時間はたっていて、だけど先生になるのはまだ先のような気がする。 そんな学生でも先生でもないからわかることもあると、思うことがある。 講義とか学生の指導や研究室運営のもろもろを義務としてやるようになると…

もし知っていたらダメな研究計画書を書かずに済んだこと

「研究計画書を書いたので見てもらえませんか?」 と学生からメッセージが届いた。 添付されていたそれを読んでいると、僕が研究計画書を初めて書いた頃のことを思い出した。 今からもう7年くらい前のことだった。 あの時、僕はどうにかして採用される計画…

研究について議論する時はスポーツだと思うといい

僕が初めて研究議論の仕方を教わったのは、大学3年生の時でした。 当時僕が取っていた講義で、グループで好きなテーマについて調べて発表することになりました。 発表会の日、僕たちは調べた結果について10分くらいのパワポ発表をしました。 質疑応答の時…

大学を辞めようと思っていた博士課程の院生が北欧に短期留学して救われた話

「あぁっもう、くそっ!」 誰かがそう言って机を叩く音が、今日も研究室に響いていた。 談話スペースの方から大きな笑い声がする。 隣の留学生のイヤホンからもれた音楽が聞こえる。 あの頃の僕はそういうことにイライラして、研究が進まないでいた。 あるい…

論文とか先生や先輩が何言ってるのかわからなくて絶望したとき

研究は愛と好奇心でできている、と彼女は別に言ってないけれど

研究室の建物を出ると、夕焼けで空がオレンジ色に染まっていた。 人がまばらになったキャンパスで、学生の男女が二人楽しそうに歩いていた。 男の子が何か言うと、女の子が笑って男の子の腕を叩いた。 男の子は大げさに痛がって、それから女の子と手をつない…

誰かの論文を読むとき、自分が研究者に向いているかわかる

科学論文を読むということをどれくらいの人がするのだろうか。 本屋でたまたま手に取った本をみていると、ふとそう思った。 アメリカ人の医師が書いたというその食事に関する本には(まるで僕らが普段目にする専門書みたいに)10ページ近い参考文献リストが…