いつか博士になる人へ

あるポスドク研究員の思い出

【4コマ】研究について議論する時はスポーツだと思うといい

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僕が初めて研究議論の仕方を教わったのは、大学3年生の時でした。

当時僕が取っていた講義で、グループで好きなテーマについて調べて発表することになりました。

発表会の日、僕たちは調べた結果について10分くらいのパワポ発表をしました。

質疑応答の時間、先生方に次々と質問されました。

僕たち(というか特に僕)は終始ナヨナヨして、まともに答えられませんでした。

当時の僕は争いを好まない優しい草食系男子でした。

 

そんな僕を見かねて、ある先生が

「そんな弱気じゃだめだよ。君を責めてるわけじゃないんだからさ。もっと強気にいかないと」

と言いました。

先生の方からそう言ってくれれば安心です。もう気を使う必要はありません。

僕はがぜん強気に出ました。

強気になりすぎて、なんだその態度はと怒られるかと思いましたが、先生は

「おお、ちょっと強くなったね」

と笑っていました。

 

その時、僕は研究の議論というのはスポーツみたいなものなんだなと思いました。

相手が誰であれ、自分と相手は対等で、お互いの理論の正当性をぶつけ合う。

たまにヒートアップして乱暴な言い方をする人もいるけれど、それもスポーツと同じようにただ真剣にやってるだけで、自分自身が攻撃されているわけではない。

 

それから僕は少しづつ、議論をする時に自分を客観的に見れるようになって、自分の考えたことを臆せず話せるようになりました。

とは言っても、やっぱり先生方は多くの知識と豊かな経験に基づいて理論を組み立てておられるので、自分の考えよりも先生の考えの方が正しかったと思い知らされることがほとんどです。

それでも自分が正しいかもしれない時は諦めずに先生に食らいついていると、たまにそれまで気づいてなかった新しい考えを思いついたりして、先生が「うぅむ、なるほど」とか言ったりするので、議論って面白いものだと思います。

 

研究者になるなら僕たちはいつか、自分が見つけた他の誰も知らないことを、みんなに伝えないといけない。 

その時に自分は絶対正しいと確信していても、周りの批判に負けて「あぁ、もういいです」なんて信じてもらうことを諦めたら、その研究はなかったことになってしまう。

そんなことにならないための訓練が日々の研究議論なので、きつい言葉に負けそうになる時もあるかもしれないけれど、自分が研究者になるために言ってくれてるんだと思って、頑張ってほしいというか、頑張りたいです(涙)。