いつか博士になる人へ

あるポスドク研究員の思い出

大学院入試と学歴ロンダリングといつかの秋の始まり

(前の記事のつづき)

 

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4. 一次試験の合格発表

一次の筆記試験の日から二週間たち、結果がwebで公開される日。

その日は朝から気になって、なんかふわふわしてました。

 

午後3時くらいに東大のHPにアクセスして、「一次審査の結果はこちら」のリンクをクリック。

PDFがダウンロードされて、二次審査の面接日時表が表示されました。

二次試験の日にち(4日くらいあった)と時間帯がマス目のようになってる表で、一次試験合格者が何日の何時に面接を受けるのかがわかるようになっています。

つまりこの表の中に自分の受験番号があれば一次合格、なければ不合格、っていう合否発表システムでした。

合否情報と面接情報を一度に提供するあたりさすが東大、効率的。

 

でもこれ受験者としては面接日程表の端から順番に見ていくしかないやつ。

面接日時は志望する研究室分野ごとにまとまってるから、表に並んでる受験番号の順番もほぼランダムで、いつ自分の番号が出てくるか予想つかないからマジドキドキする。

しかも優秀なやつは複数分野の面接に呼ばれてるから、同じ番号が2-3回出てくる時もあってマジうらやま。

 

表の半分すぎた頃に自分の番号見つけて歓喜した。

「…っしゃ!!!ぅっつしゃゃぁあああアアアアアア!!!」

って言ってガッツポーズしながら1Kの部屋の中飛び跳ねてた。(周りの部屋の人スミマセンでした) 

 

部屋の中で飛び跳ねて喜んだのは人生で2回しかなくて、この時が一回目。(あと一回は大学院入ってから)

 

 

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それくらい自分の力が東大に通じたの嬉しかったし(まだ受かってない)、自分がこんなに喜ぶとも思ってなかったからなんかびっくりした。

 

5. 二次試験は面接

 また夜行バスで東京まで行きました。やっぱり全然寝れねぇ。

カーテンの隙間から窓に当たる雨とか、高速道路の街灯が見えたり隠れたりするのをボーっと眺めてた。

東京についた日はずっとホテルで面接対策してました。

雨だったし。一次試験でわからなかった問題についての回答練習。

 

次の日(面接の日)は朝からすごく晴れてた。

ホテルから丸ノ内線の駅に向かいながら、ファンキーモンキーベイビーズの曲を聞いて「よしあと一歩だ、オレの力を見せてやるぜ」とか思ってました。

 

何となく赤門から入ったw

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筆記試験を受けた部屋が控え室になってました。

そこで呼ばれるまで待機。

部屋には2−3人しかいないし、みんな内部生(つまり東大生)っぽいし、仲よさそうだしで、すげぇ寂しかったです。

 

10分くらい待ったところで呼ばれて、普通の講義室に入って黒板の前に立たされました。

先生方が前に固まって座ってて、その圧力でかなんか部屋が狭く感じた。

先生方は5人座ってた。

自分が受験番号と名前を言うと、先生方も一人一人挨拶してくれた。

「第一希望に書いていただいてる〇〇です。知ってる?」みたいな感じ。(入試の願書出すときに配属先の研究室の希望を第五まで書く)

すごい丁寧。

第4−5希望の先生とかほぼ適当に書いたのに面接に来てくださってるヤベェ、なんかスイマセンって思った。

 

挨拶が終わったら、第一希望に書いてた先生が

「では君がこれまでにやった研究について簡単に説明してください」

って言った。

 

えっ…研究?

ちょっと待って…研究について話すの?

 

って思って、正直全く予想してなかったから

「研究…ですか?」

って聞いちゃった。

だって普通、一次試験の問題についてとか、数学とか理系の基礎知識について聞かれると思うじゃん。

当時通ってた地元の大学院の入試もそうだったし。

 

そしたらその先生も驚くの予想してたみたいで、若干ニヤニヤしながら

「そう、研究。卒研でも、今の大学院でやってる研究でもいいよ」

って言ってきた。

 

じゃあまぁしょうがねーって卒研でやった研究の話をした。

そしたらめちゃくちゃ突っ込まれた。細かいとこまで。

例えば光合成の話をしたら蛍光色素の種類まで聞かれるみたいな。

 

でも卒研の研究はほんと好きで、将来大学の教授になってずっと研究してたいって思うくらい好きで、学会発表して論文書くくらい(出版されたとは言ってない)やったからほとんどの質問にちゃんと答えられた。

 

そしたら第二志望にしてた先生が気に入ったみたいで、途中からほぼ一対一のやり取りになって、最後の方はむしろその先生が自分の研究の話を俺にしてた。

 

3分くらいその先生の話を聞いてたら、第一志望の先生が

「先生、今は彼の面接ですから…」

って話を遮って(多分面接の司会進行は学生の第一志望の先生がすることになってんだろうな)、そのあと二、三、簡単な質問をされて、(なぜ今の大学院をやめてうちにくるんですか?みたいな)終わった。

 

最後に面接の感想を聞かれて、

「勉強になりました」

って答えたら、

「そう、うちの試験は学生の勉強にもなるんですよ」

って嬉しそうだったのが印象的だった。

 

6. 合格発表

面接の二週間くらい後にまたwebでみました。

直接張り出されるとこちょっと見たかったけど(ニュースでやってるやつ想像してた)、遠いし、大学院入試だし、ってんで東京まで見に行くことはしませんでした。

 

今度は受験番号順に並んでたからわかりやすかった。

 

自分の番号を見つけたとき、なんでか前みたいに飛び跳ねたりしなかった。

ホッとしたって感じ。

でも「あー人生変わるなぁー」みたいな静かな興奮がありました。

 

配属先は第二希望にしてた先生の研究室でした。

思えば願書の第二希望をあの先生にしてなかったり、第二希望以下への配属可の欄にチェックを入れてなかったら、僕はきっと合格してなかった。

 

1Kの部屋のベランダに出ると風が冷たくて気持ちよくて、もう秋だなぁとおもいました。

 

 

というのが僕が大学院を移ったときの思い出。

 

書いてるうちに当時のことがすごい鮮明に蘇ってきてびっくりしました。

これも読んでくださる方々がいるおかげで、書くモチベーションができたからだとしみじみ思っています。どうもありがとう。

 

東大院試が終わった後の後日談(退学の手続きとか、彼女への報告とか)もまた書けたらよいなと思います。

 

以上、モイモイ!(フィンランド語でじゃあね)