自動改札を無視して電車にタダ乗りするというパワープレイに心がざわついた夏の日

今日、自動改札を無視する人を見た。

 

私は通勤に電車を使っている。

いつものように乗り換えの駅の改札を通ると、すぐ後ろでドガッと音がした。

振り返ると自動改札がピンポーンとなっている。

誰かが自動改札に止められたのだろうと思った。

 

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しかし改札の方を見てみると大柄なサラリーマン風の男が改札を通って出てきていた。その男の背後の自動改札は閉じたままだ。

 

私は思った。

ああ、こいつは自動改札を無視して出てきたのだなと。

 

そこまでならよくあることだろう。

おそらくこのような人は次に改札を通る時、自動改札に止められ、未払い分の運賃をそのICカードから引き落とされることになる。

 

しかし今日は違った。

その男は私を追い抜き、私と同じく乗り換え先の駅へと歩いて行った。

そして間も無くして、その男は乗り換え駅の自動改札をくぐった。

何事もなかったかのように。

 

どういうことか一瞬わからなくなった。

 

その男が通った改札を見るとやはり閉じていた。

自動改札の表示(残額が出るとこ)にはICカードをタッチしてください、と出ていた。

 

私はその瞬間気づいた。

ヤツの前に自動改札は無力なのだと。

 

その男は私とは反対側のホームへつづくエスカレータへと消えて行った。

 

世の中には、自動改札を無視する人がいるのか。

思えば確かに自動改札で止められるというが、勢い余ってそのまま改札の外へ出てしまうことは私にもある。

だがたいていの人はそんな時、次に改札をくぐれなくなることを危惧して、駅員に申し出るだろう。

 

だが、今日の男は無視した。

 そして次に自動改札を通る時も止められることがわかっていて、それも無視したのだ。

 その結果、その男は永遠に運賃を払うことなく電車に乗れることになる。

 

私は愕然とした。

世の中にはこうゆう人間がいるのだと。

そしてそういう人間と比べて、普通に運賃を払っている真面目な人たちは、金銭的にはこの点では明らかに損をしている。

弱肉強食がこの世の摂理である以上、我々普通の人たちが搾取され、やがて駆逐されることを避けるには、我々も搾取する側、つまりキセルをする側にまわらなければならないのだろうか?

 

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そんなことはないな。

長期的に考えると彼らは金銭的にも得していない。

なぜなら信用を失うからだ。

 

考えてみてほしい。

我々は彼らのような人間と付き合いたいだろうか?と。

仕事でもプライベートでも、決して付き合いたくはないだろう。

彼らは自分の利益のためなら平気で社会のルールを破る人間だからだ。

そんな人間を信用することはできない。

そして世の中の大半は、我々のようなルールを守る人間が占めている。

よって彼らは世の大半の人々と信頼関係を結ぶことができない。

 

金銭が人々のつながりの中で発生する今日の経済において、人とのつながりなくして大金を得ることはありえない。

ゆえに彼らキセル民は、高々数百円の運賃と引き換えに、お金を得る大元である自分の信用を毀損しているのである。

 

彼らがキセル行為によって得た利益は、彼らの知り合いに察知された瞬間消えて無くなるどころか、負債に変わるのだ。全くわりに合わない。

 

ではなぜ彼らはそんな愚行に及ぶのか?

  • 運賃を払えないほど困窮しているから
  • 冷静に物事を考えられないほど疲弊しているから
  • 本気で得していると考えるほど無知だから
  • もし知り合いにバレてもごまかせるほどの高いコミュ力を備えているから

はじめの3つは貧しい人々だ。

彼らが生きる環境が大きな原因となっている。

最後の1つはサイコパスだ。

遺伝要因が決定的だ。

 

結局「自動改札を無視する人々は得なのか?」という疑問に対する答えは、得ではないだ。

 

ここまでの話がややこしくてイマイチ頭に入らなかった、という人はこう考えるといいだろう。

 

もしあなたが億万長者だったらキセルをしますか?

 

しないでしょう?

そういうことである。

キセル民はお金に目が眩んで大切なものを見失っているのだ。

 

というわけで、マナーは守ろうぜ。