研究生活

「自分の頭で考えること」を学ぶ

「学生と先生②」はこちら いい大学に入るために「自分の頭で考えること」をやめた 振り返ってみれば、高校を卒業する頃、僕は「自分の頭で考える」ということをすっかりやめてしまっていたように思う。 良い(偏差値の高い)大学に入学するためには、自分の…

もう誰かをほめたり叱ったりするのはやめよう ― 『嫌われる勇気』書評

①はこちら この漫画をツイッターに投稿したら、「横の関係、という言葉が『嫌われる勇気』に出てくる」と教えてくれた人がいました。 (@hassy_07さん、ありがとうございました) さっそく本を読んでみたところ、「なぜ人をほめたり叱ったりするのがダメなのか…

「研究では食べていけない」をトレーラー運転手になった飛び級入学者の記事で考える

佐藤和俊さん(39)の新聞記事を読んだ。 今から22年前、佐藤さんは飛び入学制度の日本初の合格者になった。 千葉大学が、高い専門能力を持つ「とんがった高校生」のために作った制度だった。 佐藤さんは<物理のスペシャリスト>として、当時17歳で大学生に…

大学の研究室に初めて入った日の話

「来月からお世話になります!よろしくお願いします!」と、彼は僕に頭を下げた。 4月から新しくうちの研究室に入ってくる、修士1年生の男の子。 「こちらこそ、よろしくお願いします」と言いながら、僕は彼のキラキラした目を見ていた。 きちんと整えられ…

論文の数や雑誌を言わなくたっていつか伝わること

そのスライドが映された時、会場から拍手が起こった。 僕の隣にいた先生が、すばらしい、とつぶやいた。 とても綺麗なデータだと、僕は思った。 だけどそんなにすごいものだろうかと、不思議にも思った。 *** 僕が大学4年生だった時、学内で開催されたシ…

【8コマ】学生と先生のあいだ

僕が最後に学生だったときからもうずいぶん時間はたっていて、だけど先生になるのはまだ先のような気がする。 そんな学生でも先生でもないからわかることもあると、思うことがある。 講義とか学生の指導や研究室運営のもろもろを義務としてやるようになると…

もし知っていたらダメな研究計画書を書かずに済んだこと

「研究計画書を書いたので見てもらえませんか?」 と学生からメッセージが届いた。 添付されていたそれを読んでいると、僕が研究計画書を初めて書いた頃のことを思い出した。 今からもう7年くらい前のことだった。 あの時、僕はどうにかして採用される計画…

【4コマ】研究について議論する時はスポーツだと思うといい

僕が初めて研究議論の仕方を教わったのは、大学3年生の時でした。 当時僕が取っていた講義で、グループで好きなテーマについて調べて発表することになりました。 発表会の日、僕たちは調べた結果について10分くらいのパワポ発表をしました。 質疑応答の時…

【4コマ】論文とか先生や先輩が何言ってるのかわからなくて絶望したとき

研究は愛と好奇心でできている、と彼女は別に言ってないけれど

研究室の建物を出ると、夕焼けで空がオレンジ色に染まっていた。 人がまばらになったキャンパスで、学生の男女が二人楽しそうに歩いていた。 男の子が何か言うと、女の子が笑って男の子の腕を叩いた。 男の子は大げさに痛がって、それから女の子と手をつない…

誰かの論文を読むとき、自分が研究者に向いているかわかる

科学論文を読むということをどれくらいの人がするのだろうか。 本屋でたまたま手に取った本をみていると、ふとそう思った。 アメリカ人の医師が書いたというその食事に関する本には(まるで僕らが普段目にする専門書みたいに)10ページ近い参考文献リストが…

研究室をえらぶ理由をもし一つだけあげるなら

(指導教員への圧倒的感謝をこめて) 「そうですか、お名前は?」 「森野といいます!」 そのときぼくは、居酒屋の個室の前で、ひっしに自己紹介をしていた。 部屋の中には先生たちがたくさんいて、一番奥の先生は学会の会長をしているそうだ。 ぼくのとなり…

「研究が楽しいから」と言うたびに僕が思うこと

「何で大学院に行ってるんですか?」 はじめて行った街コンで、出会った彼女はそう言った。 「何でって…研究が楽しいから」 ぼくはそう答えた。 「ふぅん。どんな研究してるの?」 「薬を作る研究。抗がん剤とか」 ほんとはぼくの研究はもっと基礎的なもので…

はじめに、はかせになりたいと思ったとき

(このブログの紹介記事です) はじめまして、森野キートスです。 ぼくがはじめて研究者になりたいと思ったのは、大学3年生のある日のことでした。 その日はあたたかく晴れていて、大学の食堂で昼ごはんを食べたあと、先生の部屋に向かいました。 ぼくの学…

どうして修士卒で就職せずに博士課程に進むのか

世界の主要国で博士号取得者の数が増え続けている。 そんな中、「優秀な学生がどうしてお金を借りてまで博士課程にいき、博士号を取ろうとするのかわからない」という海外の記事を見かけた。 企業に就職すれば、研究をしながら高い給料がもらえるのに、とい…

研究発表の準備をしようと思っていた大学院生の9時間15分の恋

地上一万メートルの上空で、そのときぼくは恋をしていた サンフランシスコ行きの飛行機の中で、ぼくは隣に座っている女の子と今観たばかりの映画について話をしていた。 こんなことを書くと、日頃モテなさすぎてついに妄想の世界の住人になったかと思われそ…

博士になりたい情熱とお金がない現実のあいだ

こんばんは、森野キートスです。 急に寒くなってきましたね。 長袖を引っ張り出した今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 僕は最近少しカレーを食べ過ぎました。 カレーにフォークはありです(後悔)— 森野キートス (@ki1tos) 2018年9月16…

修士1年目から給付型奨学金をもらった件(リーディング大学院って何ですか?)

こんばんは、森野キートスです。 いま外で鈴虫が鳴いてます。秋ですね。 涼しい秋の夜長、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 僕はさっきまで靴を磨いてまして、防水スプレーをかけたら少し吸ってしまってちょっと気持ちが悪いです、あぁ脳が震える。 本日…

AmberでMD計算するときの圧力制御法の違い

研究メモ。 タイトルについて日本語でざっくり書いてある記事がなかったので書いておきます。 Amberで温度圧力一定(NPT)のMDをする場合、圧力制御法は2つあって(Amber18現在)、Berendsen法とMonte Carlo(MC)法。 これらはMDのインプットでbarostat=1(…

大学院入試と学歴ロンダリングといつかの秋の始まり

(前の記事のつづき) 4. 一次試験の合格発表 一次の筆記試験の日から二週間たち、結果がwebで公開される日。 その日は朝から気になって、なんかふわふわしてました。 午後3時くらいに東大のHPにアクセスして、「一次審査の結果はこちら」のリンクをクリッ…

大学院入試と学歴ロンダリングといつかの夏の終わり

皆さま、こんにちは。森野キートスです。 なんか涼しくなりましたね。 おかげで夏バテも治ってとても気分がいいので、こんな日は昔の思い出でもつらつらと書いてみようと思います。 これから大学院に入る人の役に立ったりしたらいいなとか思いながら。 地元…

AmberのCPPTRAJで二次構造を調べる方法

研究メモ。 今日はAmberのCPPTRAJでタンパク質の二次構造を調べたい。 二次構造とはαヘリックスやβシートなどのこと。 参考 Amber16のマニュアル http://ambermd.org/doc12/Amber16.pdf 状況 例えばあるタンパクのフォールディングをMDシミュレーションでや…

AmberのCPPTRAJでクラスター解析する方法

研究メモ。 参考 CPPTRAJ Combined Cluster Analysis Example Tutorial ambermd.org/doc12/Amber14.pdf クラスタリングとは、ざっくり言うと構造のグループ分けのこと。 それではAmber付属のCPPTRAJでクラスタリングする例の日本語解説をしてみる。 ステップ…

AmberのCPPTRAJで水素結合を調べる方法

研究メモ。 AmberでMDやった後、CPPTRAJで解析したいとき 参考: CPPTRAJ Hydrogen Bond Analysis Tutorial http://ambermd.org/doc12/Amber14.pdf (Amber14のマニュアル。重い…) とりあえず水素結合ってのはタンパク質の構造にとって重要で、FON(フッ素・…