誰かの論文を読むとき、自分が研究者に向いているかわかる

科学論文を読むということをどれくらいの人がするのだろうか。 本屋でたまたま手に取った本をみていると、ふとそう思った。 アメリカ人の医師が書いたというその食事に関する本には(まるで僕らが普段目にする専門書みたいに)10ページ近い参考文献リストが…

卒業研究発表のスライドに悩んでる時間は僕たちにはない

今年もまたこの季節がきた。 大学では、学生が毎日どこかで研究発表をしている。 卒業研究発表会や、修士論文・博士論文審査会とか、その練習で。 いつもはジャージでふらふら廊下を歩いている大学院生が、スーツを着てトイレでネクタイを直していたりする。…

研究室をえらぶ理由をもし一つだけあげるなら

(指導教員への圧倒的感謝をこめて) 「そうですか、お名前は?」 「森野といいます!」 そのときぼくは、居酒屋の個室の前で、ひっしに自己紹介をしていた。 部屋の中には先生たちがたくさんいて、一番奥の先生は学会の会長をしているそうだ。 ぼくのとなり…

「研究が楽しいから」と言うたびに僕が思うこと

「何で大学院に行ってるんですか?」 はじめて行った街コンで、出会った彼女はそう言った。 「何でって…研究が楽しいから」 ぼくはそう答えた。 「ふぅん。どんな研究してるの?」 「薬を作る研究。抗がん剤とか」 ほんとはぼくの研究はもっと基礎的なもので…

はじめに、はかせになりたいと思ったとき

(このブログの紹介記事です) はじめまして、森野キートスです。 ぼくがはじめて研究者になりたいと思ったのは、大学3年生のある日のことでした。 その日はあたたかく晴れていて、大学の食堂で昼ごはんを食べたあと、先生の部屋に向かいました。 ぼくの学…

どうして修士卒で就職せずに博士課程に進むのか

世界の主要国で博士号取得者の数が増え続けている。 そんな中、「優秀な学生がどうしてお金を借りてまで博士課程にいき、博士号を取ろうとするのかわからない」という海外の記事を見かけた。 企業に就職すれば、研究をしながら高い給料がもらえるのに、とい…

研究発表の準備をしようと思っていた大学院生の9時間15分の恋

地上一万メートルの上空で、そのときぼくは恋をしていた サンフランシスコ行きの飛行機の中で、ぼくは隣に座っている女の子と今観たばかりの映画について話をしていた。 こんなことを書くと、日頃モテなさすぎてついに妄想の世界の住人になったかと思われそ…