『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』
読みました。
この本は2002年に発売された本の改訂版で、原著の方も3年ほど前に読みました。
当時はちょうど上の改訂版が発売された頃で話題になっていて、でもあまりお金がなかった私は図書館で原著の方ならタダで読めることに気がついて読んでみたわけです。
ほんと衝撃でしたね。
ずっと騙されてたことを教えられたみたいな感覚で、怒りすら覚えたのを記憶しています。
お金に関する知識として、この本以上に役に立つものはないんじゃないかと思います。
税金や保険のことなど、学校では教えてくれなかったけど、知ってたらすごく人生楽になることを教えてくれる本。
本の内容は大きく3つ。
- 黄金の羽根って何?
- お金持ちになる方法は結局一つしかない
- サラリーマンは税金を惜しみなく奪われる
ではそれぞれザックリ紹介してみます。
1.黄金の羽根って何?
簡単にいうと、見つけたら儲かる美味しい機会のこと。
例えば、
- 人気すぎて買えない日韓ワールドカップのチケットが、外国人の友達がいれば簡単に買えることに気づいた
- 銀行で住宅ローンを組んで家を買おうとすると年3%の利子を払わないといけないが、法人を作って投資名目で家を買おうとすると日本政策金融公庫から年0.4%の利子でお金を借りれることに気づいた
- 5年以上雇用保険に入っていると、国から30万円の教育訓練給付金がもらえることに気づき、タダで英会話学校に通った
などなど。
ただしそうゆう美味しい機会(黄金の羽根)は多くの人が見つけるとすぐ無くなってしまうから、だいたい人が気が付かないところに落ちてる。
自分で調べて探さないと見つからないよという話。
2.お金持ちになる方法は結局一つしかない
実はお金持ちの方程式がある。
資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
だから、お金持ちになるには「収入を増やし、支出を減らし、運用利回りを上げる」しかない。
著者は、トマス・スタンリーとウィリアム・ダンゴの『となりの億万長者』を取り上げ、
スタンリーたちは、アメリカの典型的な億万長者が、ニューヨークのペントハウスではなく、労働者階級の暮らす下町のありふれた家に住んでいることを発見しました。彼らは安物のスーツを着て、頑丈だか燃費の良い車を乗りつぶし、周囲は誰もこの質素な一家が億万長者とは気づきません。億万長者が六本木ヒルズではなくあなたの隣にいるのは、お金を使えばお金はたまらないからです。
と言っている。
収入が上がっても支出を上げない(生活レベルを維持する)ことができるかどうかが大切という話。
資産運用に関しては、投資しないことが最高の投資とのこと。
株式投資について
短期投資はギャンブルであり、長期投資も儲かるとは限らない。
NISAやiDeCoに手を出すときはご注意を。
NISAやiDeCoは個人の貯金を投資させる制度。やると単純にリスクが増える。特にNISAは投資利益がでないと何のメリットもない。そして確実に儲かる投資はない。株の長期投資もアメリカで100年スパンでやっと儲かる理論。やるなら債券とか入れて、いかにリスクを下げつつ税優遇を受けるか考えるといい
— 森野キートス (@ki1tos) 2018年7月10日
不動産投資について
不動産投資= 家を買うこと(マイホーム含め)は、その金額の大きさから、一回やるとその人の資産運用はそれで終わるリスクの高い投資。
「どうせなら家は買ったほうが得」は不動産屋のセールストークに過ぎない。
これはほんとにそう思う。
「家は借りるより買った方が得。だって最後に家が自分のものになるから」は嘘。賃貸は家の使用権を買ってて、マイホームは家の使用権+所有権を買ってる。結局家を手に入れるために余分にお金を払ってるだけで別に得はしてない。
— 森野キートス (@ki1tos) 2018年7月9日
例えば会社でコピー機のリース契約するときみたいに、
— 森野キートス (@ki1tos) 2018年7月9日
①月の料金安いけど最後はコピー機を返さないといけない契約
②月の料金高いけど最後はコピー機もらえる契約
のどっちが得か微妙なのと一緒
でも現実的には家を買うのは不動産投資やるのと同じことだから、素人は業者にカモられる分だけ損する確率が高い
— 森野キートス (@ki1tos) 2018年7月9日
生命保険について
生命保険は死ぬとお金がもらえる不幸の宝くじ。
若くてお金がないのに子どもがいるみたいな、自分が死ぬと大切な人が路頭に迷うような状況でない限り、入る必要はない。
そしてもし入るにしても共済系で、最低限の保証で、掛け捨ての、月の掛け金が少ない保険に入るのがいい。
3.サラリーマンは税金を惜しみなく奪われる
サラリーマンは税の源泉徴収制度から逃げられない。
所得税+住民税の実質税率は4.7%(年収600万円、所得控除後)で、そこに社会保険料を加えると実質税率は19.1%(社会保険料はりっぱな税なのです)になる。
さらに、保険料の会社負担分は人件費であり、そもそも労働者であるあなたの給料に含まれるはずのものです。
これを加えると、なんと実質税率は29.3%!収入の約3割が税金で国に吸い取られてる。
だからサラリーマンやめて独立して、個人事業主や法人になると税は自己申告制になるよ。
そして経費も使えるから合法的に節税ができて、お金が圧倒的に早くたまりますよ、という話。
ちなみに一般的に言われるサラリーマンの生涯収入3億円が何に消えていくかというと、
- 税・社会保険費 6000万円
- 住居費 7000万円
- 保険料 1000万円
- 教育費(子供二人として) 4000万円
- 可処分所得 1億2000万円
限られた収入の中で、人はすべての望みをかなえることはできません。子どもを育て、十分な教育を与えたければ、ほかのものをあきらめるしかありません。
この単純な理由から、世間一般の通念に反して、「子供がいる家庭はマイホームをあきらめるべきだ」という結論が導かれます。住宅ローンを組む際に、それまで蓄えたキャッシュを頭金として吐き出さなくてはなりません。現金がない状態で子どもに多額の教育費がかかるようになると、資金繰りがつかず、家計は簡単に破綻してしまうからです。
可処分所得1億2000万は多いように見えますが、老後の資金に3000万ほど必要とすると、サラリーマン人生は年200万で生活することになります。
盆暮れに家族で帰省したりするともう赤ちょうちんで一杯やるお金にも窮するようになります、とのこと。
経済的にゆとりのある生活を子どもと一緒に送りたいなら、家・保険・税金のどれかをなんとかして削らないといけない、という話ですね。
以上が本著の主な内容です。
肝心な部分は改訂版でもほとんど変わってないので、原著を読んでも十分役に立つと思います。
図書館で借りられますしね。
改訂版で大きく追加された部分としては、著者がサラリーマンをやめて独立したきっかけが詳しくかかれているというのがあります。
ザックリ言うと、出版社に勤めていた著者は、出版業界は構造的に未来に希望がないことに気づき、独立を決意したという話。
ここでいいたいのは、「構造的な歪みはいつか必ず顕在化する」ということです。この20年で出版業界に起きた不都合な出来事の数々は、制度・構造的な制約からすべてあらかじめ決まっていたのです。
80年代末のバブルが崩壊してから、マーケットの縮小に苦しむ業界は出版だけではありません。そもそも日本は少子高齢化によって人口が減少していくのですから、子どもを対象とする教育産業から公共事業に依存する建設業まで、構造不況と呼ばれる産業はいくらでもあります。
もちろんその中には、ユニクロのように新たなビジネスモデルを生み出して大成功する会社もあります。とはいえ、拡大する市場で成功するよりも、縮小するマーケットのなかで生き残る方がはるかに難しいのは間違いありません。
どうせなら人生、自由気ままに楽しく暮らしたいけれど、この世界ではお金が無くては自由もない(No money, No Freedom)。
そんな世知辛い世の中を出来る限り豊かに生きていくためには、少しの知識がとても役に立つことを教えてくれる一冊でした。